Ariettaのピアノ日記

ピアノと向き合う中で感じたこと、練習日記を綴っていきます

お抱え調律師

実家に帰省する時は必ず楽譜を持って行きます。

私の実家は離れた所にあるので帰れるのは年に一度。今年も帰省してきました。

実家には5歳の時に買ってもらったピアノがまだあります。背の低い、木目調の大好きなピアノです。帰省中もこのピアノがあるので練習ができます。

今回帰った時にめずらしく父が「ピアノ弾いたか?」と聞いてきたのでまだ弾いてないよと言うと「ちょっと弾いてみれ」ということでした。

弾いてみると、なんだこれ!見た目はいつものピアノなのに音が全然違う!

ビックリして父に聞くと、もう何十年も調律していないこのピアノ、なんと父が自分で調律したというのです!

もう誰も弾かなくなったピアノは、年に一度私が帰省した時だけ蓋を開けられる程度。もちろんそれだけのために調律されることはなく。1音鳴らすと3つの楽器がそれぞれ別の音程で鳴るような状態でした。曲など弾こうものならものすごくにぎやかな音が鳴ります。でも練習しないよりましなので、得意の「鳴っている音を無視して、正しい音に変換して聞く」ということをしながら弾いていました。

それがうってかわって、変換しなくても静寂の中で、正しい音で、鳴るはずの音が鳴ったのです!

昨年帰省した時、ピアノの音が笑えるくらいずれていたので、自分で調律したいくらいだよねと父と冗談で話していたのです。それを、父は本当にやってしまった!

ハンマーをひとつ買い、後はネットで調べたそうです。きっと何ヵ月もかかったのでしょう。仕上がりは、アマチュアが練習するには十分!気になる所はその場で合わせてくれました。

万が一おかしなことになったとしても、言ってみればもう誰も使う予定のない、ピアノ。父の好奇心を満たす最高のおもちゃになったようです。

父はピアノを弾きません。趣味でクラシックギターを弾いています。私が子供の頃聞いたピアノのレコードは父のものです。根っからの音楽好きは間違いなく父の血ですね。

来年も帰省できたらまた調律されたピアノを弾けると思うと楽しみです。

ちなみに、父は音叉(おんさ)だけを頼りに調律を仕上げたそうです。このご時世に音叉!うちに来る調律師さんでさえチューナーを使うのに。とことんアナログな父なのでした。