Ariettaのピアノ日記

ピアノと向き合う中で感じたこと、練習日記を綴っていきます

覚悟を決めるまでにかかった時間

先日、知人からピンチヒッターで譜めくりをしてくれないか、という電話がかかってきました。
ヴァイオリンリサイタルに出演するピアニストの楽譜をめくる、あの譜めくりです。

自分なんかにできるだろうか?

もちろん譜めくりの経験はありません。
曲目はほぼ知らない曲ばかりです。
800人入るホールで自分も舞台上に上がることになります。
観客の方々ははお金を払って見に来る、正式なリサイタルです。
失敗は許されません。

迷います。

そこへ知人の殺し文句。
「ピアニストの手が間近で見れるよ。」
私がどんな風にピアノが好きか良くご存じなのです。

「やります。」

言っちゃいました。そこまでにかかった時間はたぶん10秒ほど。普段は優柔不断です。でもこの時ばかりはこの依頼を受けることがどれだけ貴重なチャンスなのか、そして自分にとってどれだけ為になる経験になるのか、瞬時に判断できました。あとは足りない実力を努力で補うことができるかどうか。できるかできないかではない、やると決めるのだー!

ということで、力不足だけれども努力でカバーしてなんとしてもやり遂げる!と覚悟を決めました。

本番までに残されていた時間は約一週間。とにかくYouTubeで曲を流して楽譜を追う、というのを時間が許す限りやりました。一瞬でも集中が切れるととたんに今がどこか分からなくなります。しかもヴァイオリンとピアノが一緒になった楽譜なので、3段あるうちのどこを見るのが一番良いのか分からない。とにかく、一番大事なのは曲を知っているかや音楽の知識があるかということよりも、「集中力を切らさないこと」だということが分かりました。

そしてあっという間に当日を迎えてしまいました。結局楽譜はピアノだけ見ててもでもダメだし、ヴァイオリンだけ見ててもダメだし、その時その時で一番拍を追いやすい楽譜を追うのが良い、というかそれでないとわからなくなる、と分かりました。

本番中は頭の中で「1・2・3・4」と拍をつかみ、楽譜と照らし合わせて追うことだけに意識を集中しました。あとは譜めくりとしておかしな振る舞いをしないように。

約2時間の本番をなんとか無事に終えることができました。

緊張と集中力が切れ、終わった後は控室でしばらく死んだようになってました。

そして、ありがたいことに打ち上げにもお誘い頂いて、恐縮しながら(もちろんお断りしません)参加してきました。

私は普段身近に音楽の話ができる人があまり居ない、けれど音楽のことで言いたいことがたくさんあるのでこうしてブログをやっている訳ですが、リアルの場でお酒を飲みながら音楽の話ができるなんて!しかも音楽を仕事にしている方々と!本当に最高でした。このまま時間が止まればいのにーと思いました。

結局、ピアニストの手を間近でみることはできませんでした。音楽が流れている間は楽譜しか見てませんでしたから。残念なことに音楽もちゃんと聴けていません。耳に入ってきたのは拍だけ。音楽は意識の向こうのほうで流れていました。でもリハーサルに同席させていただいたり、本番でプロの音楽家が本気で勝負している場に一緒にいるだけで、肌で感じるものがあり、とっても貴重な経験になりました。

■本日の練習■
・基本練習
シューマン子供の情景Op15-4、5、9、10

今日の練習は30分。拙い譜めくりでしたがありがたいことに謝礼を頂いたので、買いたかった本が買えました。脱力が分かったならこれを、と先生にお薦めされた「ピアニストならだれでも知っておきたいからだのこと」。熟読中です。


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